「腸」のこと
なぜ「腸」なのか?
科学技術の発展により、ここ10年で腸・腸内細菌と健康・病気の関係についての研究が急速に進み、今も日々新たな事実が明らかにされています。
自分のカラダに目を向け「知る」ことで、未来の自分に責任ある選択をしませんか?
腸の主な役割
1 生命の維持に必要な栄養素と水分の吸収
栄養素の約9割は腸で吸収されています。
腸が傷ついている(腸の粘膜に隙間ができる)と、身体に不要な物質まで吸収し血液によって全身に運ばれてしまう為、肌荒れやアルツハイマー、ガン等のきっかけになるということが研究によってわかっています。
2 病気から生命を守る人体最大の免疫システム
免疫の約7割が腸に集中しています。
腸の働きが悪いと、免疫の機能不全によって風邪や感染症に掛かりやすくなってしまったり、免疫の暴走によって自己免疫疾患(関節リウマチや糖尿病等)やアレルギー(花粉、アトピー等)を引き起こすということが研究によってわかっています。
3 健やかな心身の為のホルモンやビタミンの生成
セロトニン(精神の安定)の約9割、ドーパミン(やる気や幸福感)の約5割は腸で生成されています。
腸の状態が悪いと、ホルモンバランスや自律神経の乱れによりうつ病や睡眠障害を引き起こしたり、健康な身体に必要な成分や栄養が不足するということが研究によってわかっています。
また腸(腸内細菌)には、ビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、ビタミンK2、葉酸などのカラダに必要なビタミンを産生する働きもあります。
腸内細菌とは
腸の働きの鍵を握るのが、身体に約1,000種、100~500兆個、1~2kgも存在する「腸内細菌」です。腸内細菌が様々な物質を分解・吸収・代謝・産生することで、心身の健康に大きな影響を与えています。この細菌たちが腸に群れをなして生息する様子をお花畑に例えて、「腸内フローラ」と呼んだりします。 種類や数、構成は人によって異なりますが、健やかな心身の為にはこの細菌の『多様性』と『バランス』が極めて重要です。
※欧米や日本の一部では、感染症や自閉症、糖尿病、メタボリックシンドローム等の治療に腸内フローラ移植(便移植)が用いられており、腸内細菌が及ぼすカラダへの影響にますます注目が集まっています。
「腸内フローラ」のこと
腸内フローラの多様性とバランスを悪化させる主な要因
1 偏った食生活
高カロリー・高脂質食の過剰摂取は悪玉菌の増加に繋がり、栄養素を吸収しすぎる細菌が偏って増えること(=肥満)にも繋がります。
また、添加物や保存料の一部には、有益な腸内細菌の繁殖も抑えてしまう作用があることがわかっています。
2 過度なストレス
腸は「第二の脳」と呼ばれるほど無数の神経繊維が張り巡らされており、脳と腸は迷走神経を通じて双方向にやり取りをしています(=脳腸相関)。
緊張や不安でお腹の調子が悪くなった経験がある方もいらっしゃると思いますが、脳がストレスを感じると腸の蠕動運動が乱れ、下痢や便秘に繋がってしまいます。
3 過度な除菌や抗生物質
過度な除菌や抗生物質により、有益な菌まで殺してしまい、多様性やバランスが失われてしまいます。結果的に免疫機能不全に陥り、体調を崩し、抗生物質の更なる摂取・・・と悪循環に陥ってしまいます。
4 加齢
人は無菌で生まれ、産道や周囲との接触を通じて3歳頃までに腸内環境のベースができていきます。60歳を過ぎた頃から善玉菌が減少し悪玉菌が増加していく為、さらに意識して整えることが必要です。
腸内フローラを良い状態に保つ為にすべきこと
1 バランスの良い食事
「You Are What You Eat(あなたはあなたが食べたものでできている)」という言葉がある通り、私たちのカラダや腸内フローラに最も影響を与えるのは食事だと言えます。
腸内細菌研究の世界では「あなたはあなたの”細菌”が食べたものでできている」とも言われており、私たちが日々何を食べてどのような腸内フローラを形成し、腸内細菌が何を分解・吸収・代謝・産生するのかということに、より注目が集まっています。
腸内フローラの『多様性』と『バランス』を良い状態に保つ為には、バランスが良く、腸内細菌が喜ぶ食事が欠かせません。
2 適度な運動
適度な運動は、腸の蠕動運動を促したり、腸を活性化させるための自律神経を整えることに繋がります。また、腸内の温度が36度を下回ると免疫細胞の働きが低下することがわかっており、筋量を多くして体温を上げることも大切なことのひとつです。
3 十分な睡眠
腸は副交感神経が優位の時によく働くので、十分な質・長さの睡眠を確保することが大切です。また、腸内細菌の働きによって生成される睡眠ホルモン「メラトニン」が質の良い眠りをサポートしますので、十分な睡眠が腸内フローラを良い状態に保ち、さらに良質な睡眠につながるという良い循環を生み出します。
「食事」のこと
食事で意識すると良いこと
「バランスの良い食事」とはよく聞く言葉ですが、「腸」を考えたとき、一般的な栄養学以外の視点でどのようなことが必要なのでしょうか?
1 多種多様なものを摂取する
その数約1,000種と言われるそれぞれの細菌によって、喜ぶ成分や生み出せる成分は異なります。
また、摂取するものが偏ると、それが好きな細菌ばかりが増えてしまい、腸内フローラのバランスが崩れることにつながってしまいます。
より多くの細菌が協調し合い元気に活躍する為にも、多種多様なものを摂取することを心がけましょう。
例えば産地の違うワインを飲んだり、違うメーカーのヨーグルトを食べることも効果的です。
the BOWLsでは、季節の野菜を取り入れたり、ドレッシングで使用する味噌やヨーグルトの種類を変えてみるなど、少しでも多種多様なものを摂取していただけるよう心がけています。
あれ、前回と少し味が違うかも?という微妙な変化もお楽しみいただけますと幸いです。
2 「シンバイオティクス」を意識する
生きたまま腸に届く菌を「プロバイオティクス」、菌が元気に育つための餌を「プレバイオティクス」を呼び、この2つを合わせて摂取することを「シンバイオティクス」と呼びます。
腸まで届いた餌を腸内細菌が分解・発酵させ、カラダに必要な様々な代謝物や、酪酸、酢酸、プロピオン酸等の短鎖脂肪酸と呼ばれる有機酸(腸内を、腸内細菌が働きやすい弱酸性に保ったり、免疫力の向上・調整、蠕動運動の促進、腸粘膜の修正、肥満や糖尿病の予防等様々働きがあります)を産生したりします。
ただし、外部から摂取するプロバイオティクスは、腸内にある程度の期間は存在しても、棲みつくことは難しいとされています。そのため、一日にたくさんではなく、できるだけ毎日続けて摂取することが大切です。
the BOWLsの「シンバイオティクスサラダ」は、その名の通り「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」が一度に摂取できるサラダです。
日々のランチを無理なく置き換え、カラダのことを考える習慣づくりのきっかけになれれば幸いです。
プロバイオティクスとプレバイオティクス
プロバイオティクスの食品の例
▼ 乳酸菌
・甘酒
・キムチ
・味噌
・ぬか漬け
・KOMBUCHA
・ザワークラウト
・ナチュラルチーズ
・ヨーグルト 等
▼ 酪酸菌
・ぬか漬け
・臭豆腐 等
※乳酸菌には、甘酒やキムチ等の植物性乳酸菌と、チーズやヨーグルト等の動物性乳酸菌があります。死菌であっても腸に有益な効果があることがわかっていますが、低栄養かつ高塩分の過酷な環境で育った植物性乳酸菌の方が、胃酸等を突破して腸まで届きやすいとされています。
プレバイオティクスの食品の例
▼ 水溶性食物繊維
・アボカド
・かぼちゃ
・ごぼう
・海藻
・玄米
・もち麦
・キヌア 等
▼ オリゴ糖
・大豆
・にんにく
・はちみつ
・アスパラガス
・ブロッコリー
・とうもろこし
・たまねぎ
・キャベツ
・ごぼう
・バナナ 等
the BOWLsのサラダ
カラダが喜ぶ成分を一食のサラダボウルで
the BOWLsの全てのサラダに以下成分が含まれています。
・プロバイオティクス…生きたまま腸に届く菌
・プレバイオティクス…菌が元気に育つための餌
・発酵食品…発酵による豊富な栄養素を含み、腸の働きも助ける
・抗酸化成分…身体の不調や老化のもととなる活性酸素を除去し、腸内環境を整える
・オメガ3系脂肪酸…血中コレステロールや中性脂肪を減少させたり、腸の炎症を鎮める